生地をつくる

カットソー製品の生産がメインのため、生地屋さんには週に何回も行く。

生地屋さんが在庫している生地を使うだけなら大して難しいことはないのだが、オリジナルで生地を作ることが多いので、細かい打ち合わせ等も必要になってくる。

生地屋さんが在庫をたくさん持たなくなったことや、お客様のオリジナル志向のため、全体の半数くらいはオリジナルで生地を作っている。

 

独立する前はニットの生産がメインだったので、カットソーの生地を作るということには疎かったのだが、仕事を通してたくさんの経験をさせてもらったため、ある程度の生地に対しては対応できるようになった。

お客様から製品のサンプルや写真をいただき、「こんなものを作りたい」というケースが多い。

使っている糸や、生地の厚み、風合いなどからどのようなセッティングにするかを考える。

なんでもオリジナルで作れば良いというわけでもない。

同じ雰囲気のものが在庫生地の中にあって、それを使う方がメリットがある場合はそちらを勧めることもある。

だから常に在庫生地がどんな展開をしているかもチェックしておかなければいけない。

 

だいたいお客様からくるのは無理難題が多い。

ないものを作るわけだから当たり前なのだが、そこに面白さがある。

同じ糸を使っても、どの機械でどういう設定で編むかによって、全く別物になる。

そして仕上げ方法によっても生地の顔が変わってくるのである。

限られた時間の中で、何がベストなのかを選択し、判断する。

 

昨日も試編み生地が3種類上がってきた。

次の春に向けて、今一番面白いことをしている。