進化する仕事

来春の商品に向けたサンプル作成を始めている。

品番に20とつくようになって、2020年がもうすぐなのだということを実感する。

春夏に向けてはプリントTシャツなどを毎年つくることが多く、そのロゴや図案のグラフィックをつくるため、一日PCと向き合っている。

 

イラストレーターを仕事で使うようになったのは、法人化する少し前だった。

もともと大学時代に少しだけ使ったことはあったが、仕事で使えるレベルではなく、グラフィックは工場さんや外部の人に依頼していた。

ところが、お客様から絵型をデータで欲しいと言われたことがきっかけで、自分でやらざるを得ない状況になり、意を決して使い始めた。

絵がもともと苦手で、絵型などは縮尺定規を使って描いていたのだが、イラストレーターで描こうとすると倍以上時間がかかる。

わからないことはネットで調べたり、人に聞いたりしながら、それでも続けた。

年間に150型近く仕様書を作成する。

その度に絵型を作成するのだが、悪戦苦闘しながら続けていくと、手で描いていた時よりも早くなっていた。

しかも、似たような形、デザインを描くときは、それまでつくってきたデータを再利用でき、飛躍的に早くなった。

絵型をイラストレーターで作成できるようになったおかげで、紙やペンが必要なくなった。

場所を選ばず、パソコンがあれば仕様書を作成できるようになった。

出先のカフェや出張先でも仕様書作成、修正依頼をできるようになった。

データをクラウドフォルダに入れて、お客様の事務所で商談中でも過去の仕様書を取り出しができるようになった。

 

そして調子に乗ってTシャツのグラフィックに手を出す。

最初の頃は「なんかいつもと雰囲気違う」と訝しがられ、ドキッとしたが、今ではその場でサイズを直したり、色を変えたりできるなどメリットを感じてもらえている。

苦手意識を持っていたフォトショップにも手を染め始めた。

 

実力的には素人に毛が生えたレベルではあるが、続けてやってきたことで少しずつ成長し、成果に結びつけられていると実感できる。

今年も自分がデータ作成したTシャツが店に並んでいる。

それが嬉しく、誇らしくもあり、もっと頑張ろうと思える。

地道に続けること。

それが一番自分を支えてくれている。