見えない相手
OEMという仕事は裏方的な役割だから、直接エンドユーザーの方と接する機会はない。
それでもデザイナーさんと直接相手をするので、そのデザイナーさんがどんなテイストが好きで、どんなものをつくりたいのかを探っていく。
人間関係と同じで一発で全てわかるというわけではなく、やりとりを通していく中で、相手の好みがわかっていく。
当然付き合いが長ければ相手のいろんな側面を理解しているので、うまくいくことが多い。
いま進行している新規のお客様は、まだ1品番しかつくっていない。
しかもデザイナーさんは遠方に住んでいるため、直接は会えず、やりとりも間に一人挟んでいるので、デザイナーさんがどんな口調でどんなことを考えているのかがわかりにくい。
それでもホームページに掲載されている過去の商品や、インスタなどの情報から、好みを想像して生地を提案する。
するとその中からピックアップをして返してくれる。
そのピックアップされた生地の内容から、自分の想像とかなり近いものだということがわかる。
見えない相手が、どんな基準でこれらの生地を選んだのかが見えてくるようで面白い。
生地を使って文通をしているような感じか。したことないけど…
遠くにいるけど近くに感じる瞬間。
この瞬間はたまらなく楽しい。
良い関係を築けそうな新たな仕事のスタート。