非効率の中に
生地屋さんに行くことが多い。
「こんな生地探して欲しい」と頼まれることが多い。
お付き合いしている生地屋さんが5軒ほどあるが、なるべく足を運んで、自分の目で見るようにしている。
サンプルやイメージ画像を送って「こんなの探して欲しい」と依頼して、送ってもらうことが一番効率が良いのかもしれない。
それでも足を運ぶのは、実際に見て探しているうちに、別の良い生地に出会ったり、担当者との会話の中で、新しい情報が手に入るから。
1人であれもこれもやらなければいけないから、効率を常に考えながら仕事をしているが、こういう部分に関してはアナログ的に動いている。
非効率の中にたくさんのチャンスがある。
お客様のところにもなるべく行くようにしている。
荷物も送ってしまえば時間を無駄にしなくてすむが、なるべく直接渡す。
直接会って話している中で、新たな仕事が生まれてくる。
最初に入った会社の影響からだが、ずっと続けていることである。
人と人の仕事が好きだから、人と人の触れ合う時間をこれからも大切にしたい。
見えない相手
OEMという仕事は裏方的な役割だから、直接エンドユーザーの方と接する機会はない。
それでもデザイナーさんと直接相手をするので、そのデザイナーさんがどんなテイストが好きで、どんなものをつくりたいのかを探っていく。
人間関係と同じで一発で全てわかるというわけではなく、やりとりを通していく中で、相手の好みがわかっていく。
当然付き合いが長ければ相手のいろんな側面を理解しているので、うまくいくことが多い。
いま進行している新規のお客様は、まだ1品番しかつくっていない。
しかもデザイナーさんは遠方に住んでいるため、直接は会えず、やりとりも間に一人挟んでいるので、デザイナーさんがどんな口調でどんなことを考えているのかがわかりにくい。
それでもホームページに掲載されている過去の商品や、インスタなどの情報から、好みを想像して生地を提案する。
するとその中からピックアップをして返してくれる。
そのピックアップされた生地の内容から、自分の想像とかなり近いものだということがわかる。
見えない相手が、どんな基準でこれらの生地を選んだのかが見えてくるようで面白い。
生地を使って文通をしているような感じか。したことないけど…
遠くにいるけど近くに感じる瞬間。
この瞬間はたまらなく楽しい。
良い関係を築けそうな新たな仕事のスタート。
落語会
近所のお寺で落語会。
妻の友人夫妻と一緒に。
お客様の影響で少しだけ興味を持った落語。
生で聴ける機会があればと思っていた矢先だった。
開演前、想像はしていたが、平均年齢かなり高め。
80席というくらいだから小さなスペースだが、それっぽい雰囲気になっている。
一人目。
時事話から始まり、いつの間にか噺に入っていく。
扇子を使った動作も多く、内容は素人でもわかりやすいもので、終始笑いが絶えない。
後半にかけてしっかり盛り上がっていき、爆笑のままオチへ。
二人目。
私は知らなかったが、かなり有名な人らしい。
話がうまい。話し方がうまい。
真打ってのはすごいもんだ。
プロのすごさを見た。
やっぱりすごい。
喋りだけでここまでできるのかと。
歳をとったせいなのか、芸事に興味を持ち始めた。
昔から長く続いているものにはやはり何かがある。
学ぶべきところが多い。
よい時間を過ごせた。
気分転換
午前中に妻からLINEが。
息子がインターホンについている非常ボタンを押し、警察が駆けつける事態になったという。
以前にも押してしまい、管理人さんが駆けつけるということがあったのだが、この日は管理人さんがお休みのため、非常音がなり続き、住民が警察に通報したらしい。
そのこと自体はどうも思わなかったが、妻がまいってしまっているだろうことは想像できた。
ここのところ、育児疲れから精神的にもいっぱいいっぱいになっている状況での事件だ。
仕事を早く切り上げて帰ると、想像していたほどではなかったが、疲れている表情だった。
気分転換にと、近所のビストロに食事に行った。
子供連れでもOKな貴重なお店で、若いシェフが美味しい料理を作ってくれる。
早い時間に行ったので、ほかのお客様もおらず、気兼ねなく食事を楽しめた。
普段やんちゃな息子も今日は最後まで椅子に座っていた。
子育ては日々闘いなんだなと思う。
それも休みなく続く。
協力できることは限られているかもしれないけれど、少しでも気持ちの面で支えになれたらいいなと思う。
味方
新規で融資を検討しているため、銀行へ。
今までは政策金融公庫を利用していたため、民間の銀行での融資は初めてである。
融資となると、審査やら書類の準備やら考えただけで億劫になってしまうので、あまり他の銀行を考えようとしなかったのだ。
今回税理士さんからのアドバイスを受け、他も検討することにしたのだ。
行ってみないとわからないもので、金利自体はもともとと変わらないが、区の補助を受けられる仕組みがあるという。
それを使うと金利の自己負担が半分くらいになる。
これはすごいことだと、その制度を利用申請するため区役所へ。
区の担当者は淡々と質問を繰り返し、必要項目をチェックしていく。
まるで面接試験のような感じであれこれ聞かれるので、つい身構えてしまう。
そんな中で担当者の方が、決算書と直近の売上を確認し、より良い金利待遇を受けられる方法を探ってくれた。
期で考えると前期より売上は増えているので、その条件には合わないと決めつけていたが、直近3ヶ月と前期3ヶ月を比較するという方法があるらしい。
この人淡々と仕事しているけど、ちゃんと弊社のことを考えてくれている。
自分はあまり深読みもせず諦めてしまっていたのに…。
銀行さんも役所の方も、もちろん仕事だからというのはあるが、味方になって一緒にやってくれている感じが伝わってくる。
それなのに自分はつい構えてしまっていて。
自分の態度を改めねばならないと感じた。
父の日の贈りもの
父の日というものは、なぜか軽んじられているように思う。
バレンタインデーに対してホワイトデーができたように、母の日があるから仕方なく父の日もあるという雰囲気がある。
母の日には花を贈る習慣があるのに、父の日にはこれといってきまりがない。
父の日を象徴する贈り物がないのだ。
そういえばバレンタインのチョコに対して、ホワイトデーのお返しは曖昧だったりする。
自分自身は父親になったが、子供はまだ小さいし、父の日に何かをしてもらいたいという気持ちはない。
ただ、自分の父親には毎年何かを贈るようにしている。
きっと会社を辞めてイタリアに旅行に行った影響だと思う。
こんな作られたイベントでも、家族を思うきっかけとなっている。
普段なかなかできない感謝を伝えることができる。
と言っても70を過ぎた父親に贈るものと言えばほぼ毎回お酒。
普段自分でも買わないようなちょっと高めのウヰスキーを今年も贈った。
当日父親から電話が。
1分にも満たない短い通話。
それで良いんだと思う。
そんなに多くの言葉は必要ない。
小さなイベントだが、家族を家族として思える時間。
それが一番の贈り物なのだと思う。
雨の休日
朝からずっと雨。
休みの日くらいは子供を外に連れていってあげたいけれど、今日は仕方なし。
ただ家の中でも子供たちは一生懸命遊ぶことを考えるものだ。
一緒になって遊んだ。
時間に余裕がある分、しっかりと子供達と触れ合えて、良い時間だった。
最近子育てで疲れ気味、悩み気味だった妻も、子どもたちがごきげんだったからか、今日は笑顔が多かった。
こういう時間がとても貴重で、こんな時間を大切にしたい。
雨の一日。
家族にとっては恵みの雨だったのかもしれない。